Monica - For You I Will
back to 1997
今回の英単語:Fortress (2:05)
意味:要塞、砦、安全地帯
愛する人が傷つきそうな時に全力で守り安心させる存在になるという大きな愛の例えです。
【恋愛の歌ではない!?】
アリーヤ、ブランディと並ぶ90年代の三大ティーンエイジャーR&B歌姫のモニカさん。
そういえば、三人ともアーティスト名に名字がないですね。
狙ってのものなのかな…なんて思っちゃいます。
この曲は映画「スペース・ジャム」のサントラに収録されていた曲です。
この映画は宇宙人とバッグス・バニーらがなぜかバスケット対決をするというシュールなあらすじです。
地球チームの助っ人にマイケル・ジョーダンが参加して大活躍する…みたいな。
スポーツに疎い私でもその名を知っているマイケル・ジョーダン。
この時期くらいに確か野球に転身してまたバスケに復帰したんですよね。
その様子もこの映画に描かれていたのを思い出しました。
この映画、アニメと実写が融合した結構凝った演出でしたね。
「スペース・ジャム」のサントラ、かなり豪華なアーティストが参加しています。
R.ケリー、シール、クーリオ、ディアンジェロ等…
詳しくはコチラで見てみてください
↓
Spotify: Space Jam (Music From And Inspired By The Motion Picture)
厳密にはサントラではなく、映画収録曲と映画の雰囲気に合った楽曲を集めたオムニバスってことですね。
その中でも堂々とした歌いっぷりが私の心を鷲掴みにした曲がこれです!
優しいキーボードと落ち着かせるように背中をトントンするようなドラムが静かに奏でるイントロ。
そこに温かみのある「♪ウォオウォオ〜 イエ〜エェエエ〜ス♪」が包み込んできます。
彼女の抑えめの歌声が癒すように優しく響く一番。
サビもそのまま優しい雰囲気のまま光が差し込んでくる雰囲気です。
そして二番に入るところで「ジャーン、チャン、ジャン!」
Aメロから彼女の歌声も力強さレベルが上がってきます。
柔らかなコーラスに支えられて力が出てきたリードヴォーカル。
多彩なフェイクが散りばめられ、一番からの変化が楽しいです。
段々持ち上がってくるようなサビ、まだまだパワーを隠しているのを感じさせますね。
そのままCメロに入るとコーラスもゴスペル調になってきます。
Cメロ最後のアカペラ裏声フェイクが「来るぞ!来るぞ!」感満載です!
(フェイクをカタカナにしようとしましたが、長すぎたので諦めましたw)
そこからの大サビ!
サビの歌詞をなぞっていますが、アドリブしまくりです。
「聴きたかったのはコレ!」な盛り上がりですね!
当時、この日本人では到底真似できないような歌い回しに憧れたものです。
どうやったらこんなに違和感なく自由に音を操れるのか不思議です。
「大サビだし、さて曲はどう締めくくるかな…」
と思っていた皆さん!
実は大サビはここではなかったんです!
「♪アイ ウィール… アイ ウィール… アイ ウィーヒイーーール!!!」
大サビが終わったと思ったら出てくる「まだだ、まだ終わらんよ!」なラスボス的サビ!
さっきの大サビと思っていた歌い回しを更に凌駕するパワーが炸裂!
生歌聴いたら絶対スタンディングオベーションです!
そしてそこから優しく閉じていくというエンディング。
ライブで立ったままずっと拍手してしまいそうです。
最後に豪華な連発連発が上がってキラキラした余韻を残して消えていくような美しさがあります。
特に大サビの歌声は何度聴いても素晴らしいです。
力強くソウルフルな地声、優しく広がるファルセット、そして温かさ感じる柔らかな歌声。
この曲で魅せる彼女の声色の変化、大好きなんです。
歌詞はタイトル通り、「あなたのために私は何でもすると誓う」という内容です。
あなたが心が折れそうになった時、打ちひしがれた時、私が守ってあげる。
そんな歌詞です。
しかし守るだけではありません。
あなたのためなら海を越えてくるわ。
あなたのためなら月だって取ってくるわ。
山だって動かしてあげるわ。
あなたの太陽になるわ。
あなたのためなら危険な目にあってもいいわ。
あなたのためなら戦うわ。
あなたのためなら死んだって構わないわ。
どんな時でもずっとそばにいるわ。
この曲はただのラブソングではありません。
ここまで思わせる相手はどんなに愛する人でもなかなかないと思います。
当時、こんなに思うことができる恋ってあるのかと思っていました。
しかし、大人(というか初老…)になった私は気づきました!
この歌詞がぴったりな、底なしの愛を捧げ、守ってあげたいと思う相手…
この歌は、子供の事を思う親の気持ちなのではないでしょうか!
そう理解するとこの曲の歌詞、雰囲気がビシッをハマりませんか?
そしてその感覚で歌詞を見ながら曲を聴くとこれがまた良いんです!
後半のサビ、大サビも心に響いて大好きなんですが、私のこの曲のハイライトはそこではありません。
Cメロ中の「ウィゾーマィソゥル!」が私のお気に入りです!
ゴスペルなコーラスがバーンと弾けて、一瞬パワーが振り切れるところです!
先ほど述べた関係を考えながら聴くと尚更そのブレない覚悟が染み入ります。
MVはとある豪華な映画館が舞台です。
開館前、寂しい雰囲気の劇場を彷徨うモニカさん。
まるで若き館長のようです。
するとふと映画が映し出されます。
もちろんサントラ曲なのでその映画のシーンがちょいちょい出てきます。
ぶっちゃけ子供向けの映画だな…なんて思っちゃいますけどね。
スポーツ好きな方なら「マイケル・ジョーダン懐かしい!」なんて思うんでしょうね。
そして曲が一番盛り上がるあたりで劇場が目を覚ますかのように明るくなります。
劇場の内装が血が巡り出すように明るくなるシーン、好きなんです。
スタッフも現れて忙しく会場準備です。
こんな豪華な映画館、海外にはあるのかな…とずっと憧れています。
モニカさんの歌う様子も素敵です。
まったりと優雅に歌を表現しているのが上品です。
こんなスラッとした人だったんだ…と改めて思いました。
それにしても10代の頃なのに大人っぽいですね。
特に印象に残っているのは真紅のベンチにライムグリーンの衣装の場面!
このハッとする色使い、映えますね〜!
グレーっぽい衣装の時、実は目に鮮やかなパープルのブーツを履いているのにも気づいちゃいました。
オープニングの一瞬しか映りませんので見返すまで気づきませんでした。
衣装さんのこだわりですね。
何度も見たMVなのにこんな発見があるなんて、なんか嬉しいです。
この名曲オーラ…そう、ダイアン・ウォーレン&デヴィッド・フォスターが手がけています。
何度も言っているようですが、最後にやっぱり言いたい!
この壮大な楽曲を見事に自分のものにしている彼女、当時まだ10代なんですよ!
なのにこのベテラン感と母性溢れる表現力!
改めて彼女の凄さを感じる名曲ですね。