James Morrison - You Give Me Something

2024年04月17日

back to 2006


今回の英単語:Tread (0:24)

意味:踏む、踏みつける、歩く

歌詞で使われている「Tread water」は「立ち泳ぎ」や「足踏み状態」の意味です。

この歌では「理性的なつもりだった」主人公が自分の感情に正直になる様子が描かれています。


【自分の気持ちに戸惑う草食系男子】

女性ヴォーカルものが好きな私ですが、この曲を初めて聴いた瞬間にその声に魅了されたのが彼です。

曲のリリース時21歳だったそうですが、この声はもはやベテランの風格!

ソフトでハスキーな声が時に囁くように、時にソウルフルに響く名曲です。


イントロからソフトな雰囲気です。

柔らかなキーボードの音、柔らかなドラムの音、そこにさりげなく入るストリングス。

ストリングスに導かれて歌い出す色男ハスキーボイス。

歌い出しを聴いた瞬間に「これ絶対いい曲」感が溢れてきます。


Aメロはどの音も控えめに声を支えて穏やかな雰囲気です。

内向的な雰囲気ですが決して暗い訳ではなく、温かみを感じます。

微かに聞こえるギターの音が心をくすぐる感じのようです。


Bメロでキーボードが強くなり、ストリングスが入ってきます。

心の隙間から光が差し込んでくるような雰囲気です。

サビになるとホーンが少し加わります。

明るさが増してくる感じがしますが、途中で萎んでしまうように感じます。

まだ気持ちに迷いがあるようですね。


二番になると優しいギターの音が周りにやってきます。

それに合わせてドラムも前に出てきます。

気持ちが内から外に向かうようになった感じがします。

そして再びBメロでストリングスが、今度は光強めで押してきました。


彼は自分の気持ちに気づきました。


彼は気持ちを伝えたくて声にも力が入ります。

今度のサビではホーンが鳴り響き、気持ちをどんどん後押ししてくれます。

最後のサビ、彼は思い切って気持ちをぶつけます。

彼の勇気を楽器たちが優しく応援したり祝福しているようです。

彼の一世一代の大告白!!


ホーンとストリングスを中心に春の日差しのような温かさを感じる瞬間です。

これは成功でしょう!!

最後の最後、彼の心が温かい気持ちになり安らいでいます。

それまで主張していなかったベースの音が優しく彼を包み込みます。

素敵な気持ちを知った彼と彼を讃える楽器たち。

なんともホッコリしちゃいます。


歌詞の内容は、奥手な主人公が彼女への気持ちの変化を歌ったものです。

内向的な雰囲気の彼ですが、一応彼女がいるようです。

彼女との時間を重ねるうちに今まで持っていなかった感情が湧き上がってきました。

朝はただ一緒にいるだけ、夜寝る時もただ抱いてくるだけの彼女。

夜帰ってきた時にちょっとだけ二人の時間を過ごすために何時間も起きている彼女。

特にプレゼントも欲しがらない、大人しいタイプの彼女のようですね。

彼は楽だから一緒にいるという感じで付き合っていたのかもしれません。


しかし、彼は気づいてきました。

彼女の存在がどれほど大きいかを。

でも自分の本心に正直になるのが怖いようです。

まさか自分がこんな気持ちになるとは想像していなかったようです。


彼女は彼に何かをどんどんくれます。

彼はそれを望みます。

それは何でもないものかもしれませんが、彼はやっぱり自分の気持ちを試したいと何度も思います。

彼女はそれに、恐らく無自覚に応えます。

彼は自分の本心を認めます。

「いつか彼女の名前を心から呼んでみたい。」

「今まで行った事のない言葉を彼女にかけたい。」

そうすることで彼は自分の本当の気持ちを確信するかもしれない、と思っているようです。


最後までなかなか内気な彼です。

「はっきりしなよ!」と聴いている方がヤキモキする感じですね。

でも、実は途中でしれっと「Something」について言っちゃってる部分があります。

「I've never thought that I'd love someone.」

言うとるやんけー!!


とまぁ、これは彼の心の声ということにします。

彼はこれが「LOVE」だと言うことに気づいたんですね。


彼女は待ってますよ!

覚悟を決めて彼女にしっかり伝えなよ!

彼の告白がどんな感じになるのか想像が膨らみます。


・・・・・・・・・・・・・・・

MVは二種類あるようです。

私が馴染みがあったのは「New Version」となっている上で紹介しているものです。

リハーサルを淡々とこなすといった雰囲気のものです。

スタジオでリハーサルしているような場面で歌い始め、そこで待機しているダンサーたち。

ジェイムスさんは歌に集中。

その様子を飴ちゃん舐めながら見ている女性。

歌を聞いていないようなダンサーたち。

歌の世界観とは全く違う光景が逆に面白いです。


ダンサーたち、曲が進んでも何もしないと思ってたら、やっと立ち上がります。

そして何故かこの曲で始める長縄跳びがシュールです。

すると今度はラインダンスが始まります。

長縄跳びチームは持って行かれた感で冷めたように席に戻ります。

椅子にくっつけたガムを再び口に…しないでほしいw


ラインダンスはこの曲の雰囲気に合っていますね。

羽を広げて優雅な感じで長めに踊ります。

さっきまでダラダラしていたのに素晴らしい笑顔になって仕事しています。

その表情のギャップが逆に怖いですw

キメの後はこちらも「はいはい、お疲れ。」のような感じでスッと下がります。

この切り替え…ある意味プロですね。


…と言うことは、こんな風に歌っているジェイムスさんも仕事モードってこと???

「これ(歌)は仕事だから騙されるなよ。」と皮肉っているとか…?

でも素敵な歌声に違いはありません!



もう一つのMVはニューヨークの街角で歌を披露するものです。

エキストラっぽい人もいますが、一般人を前にガチでやっている雰囲気です。

「あの兄ちゃん、歌上手いな!」みたいな感じで人が足を止めるのが良いですね。

その様子で終わるのかと思ったら、ふと横断歩道を渡ります。

すると夜の街でキラキラしたライティングで歌い始めます。

リアルの世界でメルヘンな雰囲気が凄く素敵です。

歌い終わった後、観衆から「Welcome to NY!」て声が入っているのもガチっぽくて良いですね。


一瞬で人々を魅了する素敵な歌声…男でも惚れてまうわ〜!