Céline Dion - It's All Coming Back to Me Now

2023年11月30日

back to 1996


今回の英単語:Slam (4:07)

意味:強く打つ、強く叩きつける、強く閉める

彼が急に心を閉ざすように去ったという意味で「扉をバタンと閉めた過去」と表現しています。


【忘れたはずなのに一気に想いが蘇るような恋】

「90年代を代表する歌手といえば…?」という「100人に聞きました」があったとしたら…

絶対に上位に入るのがセリーヌ・ディオンですね。


この曲は96年に発売されたアルバムの1曲目に収録された曲です。

因みに翌年にあの「My Heart Will Go On」が大ブレイクします。

その大ヒット曲を超える壮大な曲がこの曲です!


イントロからして壮大な曲の予感がします。

いきなり重々しいピアノの

「ジャーーーン   ダララランダンダンダン」、

そしてチェロの

「ゾワゾワゾンッ」

アルバムを買って初めて聴いた時、もうこの曲に心を掴まれていました。


ピアノ、風の音、ギター、ストリングス等が期待を膨らませる長めのイントロが続きます。

幕がパッと開いたような音とともに彼女の歌声!

彼女の声がセンターからバーン!と押し寄せる出だしはまるでコンサートを見に来て、

「本人、出てきたー!!」

とテンションが上がった時のようです。


そこから一気に歌いきり間奏へ!

この間奏で心の中で大きな拍手です!


壮大でドラマチックで、彼女の歌声と歌唱力があってこそ成り立つ楽曲です。

彼女にはたくさんの名曲がありますが、この曲こそ彼女の凄さがわかる曲だと思っています。


ピアノ中心の演奏に様々な楽器が彩りをして感情の起伏を表現してます。

まるで舞台を見ているような感動が味わえます。

(劇を生で見たことはない私が言うのもなんですけど…)


最初はピアノとコーラス中心で心がまだ静かにドキドキしている感じです。

そこからエレキギターや様々な効果音、ドラムが加わり、彼女の歌声も感情が段々と湧き上がる中盤!

中盤以降は感情の起伏が激しくなり、心が葛藤している様子が描かれています。

そして後半はもう感情が抑えられなくなります。


特にこの後半、彼女が声を張り上げて歌い続けるのは圧巻!!

感情の昂ったクライマックス、天を突くような歌声で圧倒します。

感情が爆発した後、呟くような泣くような雰囲気で、眠りにつくようにこの世界を閉じていきます。

安心しているようにも切ないようにも感じてすごく心に引っ掛かります。


歌詞はざっくり言うと、忘れたはずの元カレが戻ってきて気持ちが一気に蘇るというものです。

彼が去った瞬間、どうにか完璧にふっ切ったはずだったのに…という女性が主人公です。

孤独にも負けず強く成長したはずの彼女。

鉄の心を持ったはずの彼女は元カレが現れた瞬間に打ち砕かれていくのでした…


この歌詞のキモはなんと言ってもサビです。

同じ内容を繰り返しているようですが、注目すべきは「when」と「if」の使い分け!

とまるで学習塾のようですが、「when」と「if」を使い分けている事に気づきました。

そこに注目して聴くと状況と心の変化が結構具体的に見えてきます。


そこだけ見ていきましょう。

1回目のサビ。

「あなたが私に触れて」、「あなたが私を抱きしめて」…

そして「私があなたに触れて」、「私があなたを抱きしめて」…

元カレと再会しなんやかんやあってこんな状況になっちゃいました。

気持ちをせき止めていたものが今にも崩壊しそうです!


次、2回目のサビ。

「もしも私があなたにキスをしたら」、「もしもあなたがささやいたら」…

「もしもあなたが私を欲したら」、「もしもあなたには私が必要なら」…

!!!

彼女の頭の中がもう彼の事でいっぱいになっています!


次、3回目のサビ。

「もしも私があなたに触れたら」、「もしもあなたが私にキスをしたら」…

「もしもあなたが触れたら」、「もしも私があなたにキスをしたら」…

これは「触れる」という状況がオトナな状況を想像しているのでは!!

もう彼女の気持ちをせき止めていたダムは崩壊しています!


そして4回目のサビ。

「あなたが私に触れ」、「あなたが私を抱きしめ」…

「あなたが私を見つめ」、「私があなたを見つめ」…

ハイハイッ!18禁ですっ!

これはどう考えても映画やテレビだと子供の目を隠すヤツですよ!


でもまだ終わりません。


最後のサビ。

「もしもあなたが私を許したら」、「もしも私があなたを許したら」…

「あなたが私にキスして」、「私があなたに触れて」…

「もしもあなたがこんな風にアレをしたら」、「もしも私たちが…」

最後はちょっと私の解釈がアッチ方向に行ってますが、多分合ってるのではないかとw


ほら、サビの部分だけを取り上げると凄いでしょ?

「別れても好きな人」なんていう軽さでは言えない運命的な二人の再会です。


でもこの曲を聴いてもなぜかハッピーエンドには感じないんですよね…

離れ離れになった好き同士が結ばれたはずの曲なのに…

彼女たちのその後が気になるモヤモヤ感で終わる曲ですね。


MVはバイクで事故死した彼が幽霊となって彼女の元に戻ってくるという内容です。

豪邸の浮世離れした彼女の暮らしとバイクに乗る彼という設定が違和感あります。

もしかしたらこれは原曲のMVへのオマージュかもしれませんね。

実はこの曲カバーだったんです。

正直な私はこのカバーの存在を知ったのはこの記事を書く準備の時だったことを告白しますw

つい先日知った原曲のMV、なかなかのR18具合です。

その気になるMVはこちら


さて、セリーヌのMVに話を戻します。

豪邸に住む彼女。

嵐の夜に何かを感じて邸内を駆け巡ります。

はっきりとは見えていないようですが彼の気配を感じるようです。

でもこの世にいない彼とは触れ合う事も目にすることもできない寂しさが爆発してしまいそうな夜です。

広い家が余計に孤独を感じさせて押し潰されそうです。

彼女は亡くなった彼を忘れる事ができるのか…そんな切ないMVです。


広い家にたくさん置いてあるロウソクを全部灯すのは大変そうだなぁ…と思った私は冷めてますね。

余計な感想で締めてすみませんw


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